無言のまま自分の隠れ家へと戻ってきた大蛇丸は、そっとベッドの上にナルトを降ろした。
男達が触れただろう衣服をすべてはぎ取り、ゴミ箱の中へと捨て去る。
明かりの下で改めて見る裸体は、大蛇丸にとっては見慣れたものでも、なにか別のもののようにも見えた。
自分以外の別な男が、許しもなく触れたのかと思うと、それだけで腑が煮えくり返る。
けれど、一番怒っているのは、そんなところではないのだ。
ちらり、と視線をナルトの足の間へと向ける。
そこは、ナルトの体液によってベットリと汚れ、濡れていた。
少なくとも一度は、あの下劣な男達の手によって達したという証…それが大蛇丸の嫉妬心を煽る。
「ん…大蛇丸…?」
寝ぼけたまま目覚めたナルトは、突然先ほどまでの状況を思い出してガバッと勢い良く上体を起こした。
傷ついた小動物のように全身を使って辺りを警戒した後、大蛇丸の姿を見つけて全身の緊張を解く。
「大蛇丸が…助けてくれたんだってば…」
ホッと胸をなで下ろしたナルトに、なぜだか怒りがこみ上げてくる。
あそこに自分が間に合わなかったらどうなっていたか。
助かった安堵で安心して笑顔を浮かべているのだと分かっていても、いまいち危機感の足りないナルトに近づく。
「大蛇丸?どうしたって……」
ば、の言葉はナルトの口から発せられることはなかった。
大蛇丸が、己のそれでナルトの唇を塞いだからだ。
「アナタ、あの状況を忘れたの?私が来なかったら、あんな奴らに犯されるところだったのよ?」
それとも、と続けて。
「あんな男達に輪姦された方が良かったっていうの?」
「そんな…っ」
「じゃあ、コレは何かしら」
ツツ…とナルトの内股に指を這わせる。
「はぅ…っ、あ………っ」
今だ体に残る薬の作用で、たったそれだけの刺激でも敏感に反応するナルトの体に大蛇丸のいらだちは増していく。
ねっとりと指に絡む体液が、それをますます増長させるのだ。
「こんなに濡らして…あんな男達の手でそそうしたんでしょう?そんな子には、お仕置きが必要よね………?」
うっとりと極上の笑みを浮かべたままそう告げた大蛇丸に、ナルトの顔が強ばる。
「こっ、これは…っ、なんか変な薬飲まされて………っ」
呼吸が荒くなってきている。
ほんの少しだったが触れられたせいで、再び体が熱を持ち始めたのだ。
「んぁ…あ……ん…っ、や…っ」
勝手に暴走しはじめる自分の体が信じられず、ナルトはそれを沈めようと背を丸めてシーツに顔をこすりつける。
赤く上気した頬を、大蛇丸の手が優しく撫でた。
「し、して…っ」
途端、ナルトの口から悲鳴に近い叫びがこぼれる。
「してってばぁ…っ!熱いよ…ぉ」
頬に当てられた手にしがみついて額をこすりつける仕草を繰り返すナルトを、大蛇丸は冷たい眼で見下ろした。
「そんなにして欲しいの?」
コクコクとナルトが頷く。
だが、大蛇丸の手はスイッと離れていってしまった。
「やっ、やだ…っ!」
とっさに後を追ったナルトの爪が、大蛇丸の手を傷つける。
「あ…っ」
それに気づき、上気していた顔がみるみる青ざめていく。
「この子ったら………よっぽどお仕置きして欲しいのね…?」
とろけそうなほど官能的な響きをもって囁かれているはずなのに悪寒が止まらない。
「手を出しなさい」
言われ、ビクリと小さな体が跳ねた。
「ご、ごめんなさい…ごめんなさ………っ」
「いいから手を出すのよ。それとも………また、されたいの?」
囁かれた言葉にゾッとした。
同時に、脳裏に昔与えられた拷問にも近い行為が蘇り、ナルトの顔が恐怖に歪む。
おずおずと差し出された両手を取り、「いい子ね」と頬にキスをしてから、大蛇丸は自分で足首を掴むようにナルトに言った。
その通りにしたナルトは、あまりにも恥ずかしいその格好に泣きたくなる。
大きく左右に足を開かなければ、手で足首など持てはしない。
当然折り曲げられた足は自然と開かれ、大蛇丸の前にすべてをさらすことになる。
「恥ずかしいの?もう何度も見てるのに」
クスクスと笑われるが、幾度見られようと慣れるものではない。
「ぅえっ…もっ、許してってば…っ」
「だめよ。まだまだ序の口じゃない」
言いながら取り出したのは、黒い革製のベルトとタオル。
それを見ただけで、ナルトはどうされるのかを悟り羞恥に体を染める。
「お仕置きだけれど、さっき可愛くごめんなさいができたから痛くないようにしてあげるわ」
手首と足首にタオルを巻き、その上からベルトで固定する。
そうすると、タオルによって直接肌が擦れることがなくなり、跡がつきにくくなるのだ。
けれど楽になるのは身体的なものだけで。
当然、体が楽になった分、精神的な責めが行われることは明白だった。
「ここ………濡れてるわよ」
「ふぁ…っ」
ツプンッと体内に大蛇丸の指が入り込んでくる。
「ゃだっ、あっ、やぁ…っ」
すぐに二本目が入り込んでくる。
グチグチと粘着質ないやらしい音を立てて指が抜き差しされる度に、拘束された体が跳ねた。
「本当に薬だけなのかしらね?アナタのココ…私じゃなくても良いんじゃないの?」
囁かれた言葉に、唇を噛みしめる。
それが単なる揶揄だとしても、ナルトはいやだった。
当たり前だ。
誰が好きこのんで同じ男に抱かれたいと思うのか。
すべて大蛇丸だからこそ許しているのに、どうしてそれを疑うような言葉を口にするのだろう。
「…ろちま………じゃなきゃ………っ、やだ…って、ばぁ…っ!」
涙の代わりに絞り出すような声で、叫ぶ。
「そう?」
そっけなく返しながらも、まんざらではないような口振りで答え、大蛇丸はそっと内腿に口づけた。
「ん…っ!」
そこが感じやすい場所だと知っていてしているその行為に、ナルトの幼いモノはすぐに反応を示す。
けれど、大蛇丸はそれを手に取り、
「勝手にイッたりしちゃダメよ」
と咎めた。
愕然とする。
薬を飲まされて過ぎるほどに敏感になっている体は、それだけの刺激で達してしまいそうなのだ。
けれど大蛇丸の眼は本気で、ナルトはこうなってしまっては諦めて許されるのを懇願することしかできない。
する、と言ったらするのだ。この男は。
特に今は本人が思っている以上に気が立っているようだった。
今逆らえば、悲惨な結果が自分に降りかかることは経験して知っている。
二度とあんな大蛇丸は見たくなかったし、されたくもなかった。
だから、ただ従順に頷く。
「いい子ね。好きよ、ナルトくん」
甘く囁かれ、こんな状態なのに嬉しくなる。
優しいキスを髪や頬に何度ももらい、ますます高まる射精感を堪えながらナルトはそれを受け入れていた。
「そうそう。ナルトくんにね、お土産があったのよ」
にっこりと笑った大蛇丸は、ナルトの眼に恐ろしく映る。
嫌な予感。
「な…に………?」
聞きたくなかったが、聞かなければ機嫌を損ねることは分かっていた。
だから聞く、というのが半分の理由。
残りの半分は、純粋な嬉しさからだった。
大蛇丸が自分のために選んでくれたのならば、それがたとえ何だろうと嬉しい。
離れている時も、大蛇丸がナルトのことを考えていてくれたという証だから。
「………っ!」
ズズッ、と、肉を擦る音が体内から聞こえた。
大した大きさではない。
けれど、今のナルトにとって絶頂へと押し上げられるのに十分な刺激だった。
全身を硬直させて達してしまったナルトを見つめ、大蛇丸は白い腹に散った体液を指で拭う。
「あら。ダメって言ったのに………仕方のない子ね」
あきれた声に、ナルトは思わずすがるように「ごめんなさい」と口にした。
「ごめ…なさ…っ、我慢、できなくて……ごめんなさぃ………っ」
必死に繰り返すナルトに、大蛇丸は「良いのよ」と答える。
「仕方ないわよね。予告もなくいきなりだったし」
思いの外優しい声に、ナルトはホッとする。
だが、「でも」と大蛇丸は続けた。
「そそうをしたことに変わりはないわ」
そう言うと、自分の腕にしていたベルトを外し、絶頂を迎えたばかりだというのにもう立ち上がっている小さなナルト自身の根元に二重に巻きつけてしまった。
「ひ…っ!」
乾いた悲鳴がナルトからあがる。
「ぃや、いやだってばぁ…っ!はずしっ…、コレっ、はずして………っ」
泣きながらの必死の哀願にも答えず、大蛇丸は濡れているナルトの頬を口づけで拭った。
「だぁめ。だって、このままじゃナルトくんったら、またそそうしちゃうでしょう?」
しない、と言い切れずに、ナルトは泣く泣くそれを受け入れる。
大人しくなったナルトにもう一度キスをして、大蛇丸は先ほどナルトに挿入した玩具に手を伸ばした。
しっかりと喰い締めている口を指の腹で辿り、軽く玩具の背を押して内部を刺激してやると、泣いて許しを乞う。
「やっ、やだ…ぁっ、やめ………っ!」
顔を隠すことも声を殺すことも出来ずにいるナルトは、理性が飛びきれていないために全身を羞恥に染めていた。
それが可愛い。
続く