いつも通りの帰り道を、いつもと同じように帰っていく。
その日のナルトは非常に機嫌が良かった。
なぜならば、今夜大蛇丸が訪ねてくることになっているからだ。
音隠れの里の頭領である大蛇丸は、常にナルトの側にいるというわけには当然いかず、だからこそたまの逢瀬を二人供楽しみにしているのだった。
鼻歌混じりに足取りも軽く歩いていくナルトの眼に、道ばたでうずくまっている人の姿が映る。
声をかけようかどうしようか悩み、拒絶されるかもと思いながらもこのまま見捨てられないと声をかけることにした。
「あの、どうしたんだってば?」
「………」
何かを答えたらしいが、声が小さくて聞き取れない。
「え?なに…」
しゃがみ込んでもう一度聞こうとしたナルトの首筋にチクリとした感触が走る。
「っ!?」
とっさに後ろへと飛び構えるが、クラリとした目眩に襲われてかってに体が崩れ落ちた。
力の入らないナルトを引きずって道から少しはずれた場所へと移動して初めて、相手の性別が男であると知る。
なぜ、という言葉を飲み込み、殺されるのかという恐ろしい予感が頭を過ぎる。
だが、男は予期せぬ行動に出た。
ナルトの着ていた黄色い上着をはぎ取り、タンクトップをまくり上げる。
その鼻息の荒さに、相手の望みを悟った。
「や…め………っ」
声を出そうにも、舌が動かない。
胸を這う滑る舌が気持ちが悪かった。
「おいおい。先に一人ではじめるなよ」
ガサガサと草を掻き分ける音と共に、二つの人影が現れる。
ナルトの上にのしかかっている男に話しかけたところを見ると、知り合いのようだ。
「折角今日まで様子を伺ってきたんだ。全員で楽しむべきだろ?」
その言葉で、これが計画的なものなのだと知る。
どちらにしろ、ナルトにとって良い事実ではなかった。
「さて、しびれ薬が切れる前に、コイツを飲ませておくか」
それを見ることは出来なかったが、ムリに顔をあげさせられ、顎を取られる。
顎の間接を押さえられて閉じられなくなった口の中に、胸の悪くなりそうな甘さをした粉が入れられ、続けてアルコールの瓶の口を突っ込まれた。
「んぐっ、んうぅっ!!」
強引に飲まされた粉と酒に、ナルトがうめき声をあげる。
それを他の男達は嫌な笑いを浮かべたまま見ていた。
「げほっ、ゴホッゴホッ」
酷くせき込んだナルトの背を気持ちの悪いほど丁寧に手がさすってくる。
「ん…っ」
何度目に背を撫でられた時だろうか。
びくり、とナルトの体が跳ねた。
小さなからだが自分達の思う通りの反応を示したことで、男達は一斉にナルトに手を伸ばす。
「…だ、や…ってば…っ!」
ようやく動き出した舌に、ナルトは自分の体から最初の薬が抜けはじめていることを自覚した。
けれど、次に飲まされた粉の効果か、体が思うように動かない。
6本の手に体中を撫でられると、それだけで体が熱くなっていく。
「すげぇな、コイツ。もうトロトロじゃん」
不本意ながらも立ち上がりヒクヒクしているナルトの幼いモノを手に、男が興奮を隠しきれないうわずった声で言う。
「肌なんかも手触りが良い。そこらの女よりも極上だぜ」
内腿や脇腹を撫でながら、別な男が口にする。
「なんたって狐だからなぁ。妖狐っていやぁ、色事好きで有名な化け物だろう?薬なんざ必要なかったかもなぁ」
男達の口から下卑た笑いが飛び出す度に、悔しさで唇を噛みしめるが、薬の効果で火照る体は噛みしめた唇を開かせ淫らな声を上げさせた。
「ぃやだ…って、ばぁ………っ!」
とうとうすすり泣くようにして体を震えさせはじめたナルトに、男達はますますその劣情を煽られていく。
「お、俺が一番な」
我慢できなくなったのか、ナルトの足を掴んでいた男が小さな入り口に自身の肉をあてがった。
ナルトが次を覚悟してきつく目を閉じた、その時だ。
「ぅわっ!」
「ぎゃっ!」
「ひぃっ!」
男達の悲鳴が聞こえ、ナルトは暖かい腕に包まれる。
「ナルトくん?ナルトくん、しっかりして!」
おそるおそる開いた目に映ったのは、今にも泣き出しそうな顔をした大蛇丸。
「…ろちま…る?」
「えぇ…えぇ、そうよ。あぁ、良かった…っ」
強く腕の中の愛しい少年を抱きしめて、大蛇丸はそっと印を組んだ。
召還されたのは、彼の持つそれの中でも特に大きな体を持つ大蛇だった。
男達は、あまりの恐怖に声も出ずガタガタと震えている。
ナルトを抱いたまま立ち上がった大蛇丸は、それだけで人を殺せそうなほどに冷たい眼で男達を見下ろす。
そうして腕の中でぐったりとしているナルトの耳をふさぎ、その一言を口にした。
「さあ、とっておきの生き餌よ。じっくりと味わって食べなさい」
続く