夏の気配もだんだん薄れていき、秋の予感が見え隠れするこのごろ。
7班は森で相変わらず地味な任務をこなしていた。
「今日、寒いわね、サスケ君v」
相も変わらず恋するサクラ。
「寒いってばよ~!!サクラちゃん!」
にこにこ顔でナルトが話しかけると・・・
「アンタには聞いてないの!!」
ひどいってば・・・と言いながらナルトはしゅんとなる。
サクラも心から言ってるわけではなく、実はナルトのしゅんとした顔をかいぐりかいぐりしたくなるほど好きだという思考の持ち主だったため、ついつい、辛く当たってしまう。
(きゃ~!!ナルトってば可愛いんだからっ!!)
少々歪んだお年頃。
そして、ナルトをこよなく愛するいろんな意味で歪んでる少年、サスケはというと・・・。
フッ・・・今日も可愛いぜ、ドベ。
そんな悲しそうな顔するなよ、マイスイート。サクラは後で俺がシメておいてやるぜ。
それにしても、夏は楽しかったな、俺のマーメイド☆
オマエの水着姿は一生忘れないぜ。
そして・・・あの海で過ごした甘い時間も・・・・。
真顔でマイナルトワールドへ突入している。
完璧なポーカーフェイスだが、その目は確実にナルトを追っていた。
「サスケく~ん・・・誰見てるのカナ?俺のナルトを汚れた目で見ないでくれる?」
汚れているのはむしろオマエだ(by管理人)
「それはお前だろう?」
バチィッッ!!
むっつりスケベvs素エロの戦い。
緊迫した雰囲気があたりを包む。
しかし・・・・
「カカシせんせー!!じっちゃんの用って何だったんだってば?」
ナルトの出現により、一気のそんな雰囲気は壊された。
上目遣いでカカシを見上げ、邪溢れるカカシへと可愛く問いかける。
カカシは普段より2.5メートルくらい鼻の下がのびており、サスケは・・・
(くぅ~~!!可愛いぜ、マイスイートv)
心の中でガッツポーズ。
(だが・・・俺以外のヤツにそんな顔して・・・今度お仕置きだな・・・)
と、なにやら不埒なことを考えている模様。
サスケの頭の中は、純な私ではとても書ききれないことを頭の中で張り巡らせていた。
「ん~v別に大したことじゃないよ。ただ、ちょっとネ」
「フン、どうせ何かヘマしたんだろう?」
なにげにサスケが漏らしたその一言、実は図星だったりする。
『頼むから、ナルトに手を出してくれるな』と。
『出したら、左遷じゃぞ。音隠れの里にスパイにでも行ってもらおうかのぅ・・・』
左遷なんて、冗談じゃない。ナルトに会えなくなるではないか。
とりあえず、月が出てない夜にでも三代目を殺っとくか・・・と思いながら帰ってきたのだった。
「ちっが~う・・・今日の任務、キャンセル入ったから」
「「「はぁ?」」」
「だから、今日はこれで任務は終わりにしようと思ってるんだけど~・・・今から、ピクニックでも行くか?」
手を出さないが、ひとときでもナルトと離れたくないカカシはこんなことを言いだした。「あ、だったら、さっきすっごくいっぱい秋桜咲いているところ見つけたから、そこなんかどうですか?」
と、サクラが提案。
(サスケ君と秋桜を見ながら・・・きゃーvロマンチックvしゃー!!メルヘンゲットー!!)
「そうだな~・・・そこでいいか?」
「うん!!」
サスケは、何も言わずにそこに立っていた。
チッ・・・キャンセルするくらいなら、最初から入れるなよ。
俺とナルトとのスイート☆タイムが減るじゃねぇか・・・。
だが、ナルトが喜んでいるようだから、まぁ、いいか・・・。
それにしてもマイスイートv可愛いぜ・・・俺とピクニックに行くのがそんなに嬉しいか?(イヤ、違うと思う)
フ・・・仕方ないヤツだな・・・。
早速、7班の面々はサクラが案内するままにその花畑へ赴いた。
「うわ~!!きれいだってばよ~v」
ただただ、ナルトは感動して声を上げた。
一面に咲き誇る秋桜は風に揺れている。
「ナルトの方が可愛いぞv」
すがすがしいまでの口調で、カカシはのたまった。
当たり前だろうがッッ!!そんな当然なことを今更言うなっ!!このクソ忍がッ!
マイハニーはこの世のナニよりも可愛いに決まってるだろうが・・・!
そんなこともわからないのに、俺のハニーに馴れ馴れしく触ってんじゃねぇ!!
ナルトもナルトだ!!お礼外のヤツに、そんな顔見せやがって・・・!!
それにしても・・・サクラと花で遊ぶナルトはまるで妖精のようだぜv
マイスイートフェアリー☆
オイオイ、そんなに頭に花を付けて、俺との結婚式の髪飾りでも選んでるのか?
フッ・・・可愛いぜ、マイフェアリー☆
心配しなくても、お前にぴったりの花は俺が選んでやるぜ、安心しろ、マイフェアリーv
お色直しは三回くらいだよな。
だが・・・マイフェアリーの魅力を見せつけるために5回か10回は必要か?
フ・・・安心しろマイフェアリー。それくらい、俺のポケットマネーで十分さ☆
うちは一族の総資産を全て使い切ってもお前をさらに美しく飾ってやるぞ☆
「サスケー!!お前もこっちに来いってば!!」
フ、マイフェアリーが手招きしてるぜ。
早く行かないと、マイフェアリーが悲しそうな顔する・・・。お前のそんな顔は、見たくないぜ・・・マイビューティーフェアリー・・・。
「何だ?」
口からは素っ気ない言葉しか出てこないけど、お前はわかってくれるよな、マイフェアリー☆
オレは誰よりもお前のことを愛しているんだぜ☆
「お前にもつけてやるってばよv」
にっこりとナルトは微笑んでからサスケの髪を飾った。
「ぶはーーっ!!!に、似あわねぇ!!・・・ははははっっっっ!!あー腹いてぇ・・!!」
ひとしきり大笑いした後、ナルトはサクラにボディーブローで黙らされた。
マイフェアリー・・・お前が望むのなら、俺は花が似合う男にだってなってやる。
とりあえず、バラとか百合を背負うのは得意だぞ!!
お前が望むなら・・・菜の花だって似合う男になるさ。
お前が望むなら・・・かすみ草だって似合う男にだってなってやる!!
お前が望むなら・・・菊だってシクラメンだってトリカブトだってマンドラゴラだって似合う男になる!!
だから・・・そんな苦しそうな顔をするな・・・(イヤ、それはサクラが・・・)
「フン、ナルトが似合ってて、オレが似合ってない訳ないだろう」(イヤ、似合ってないから・・・っていうか、今サラッとナルトに花が似合ってるって本音を・・・!)
「そっ・・そうよねっ・・・サスケ君の方が似合ってるわ!!」
「ばっかだネェ~サクラ・・・サスケなんかに花が似合うわけないデショ?」
あんたが、一番正しい。
カカシはナルトに目を向けると、ぽっと顔を赤らめた。
何を考えている!!何を!!
マイフェアリーを汚すな!!テメェが見ると減るから見るな!!
ぎんっっと殺気のこもった目でサスケはカカシを睨みつける。
カカシはイヤラシイ目でサスケを一瞥して、ナルトに話しかけた。
「ホントに可愛いなぁ、ナルトは先生のところにお嫁に来ない?」
でれっと鼻の下を数メートルほど伸ばしながらナルトに聞く。
バカ言ってんじゃねぇ!!マイフェアリーは俺の嫁になるんだ!!
ナルトは俺と野球チームができるくらいたくさんの子供に囲まれて幸せに過ごすに決まってるだろ!!(無理じゃ)
テメェなんかと結婚したら、野球チームどころかJリーグが素でできるだろうが!!(だから、無理・・・)
いや!!そんなことよりも隠し子とかが出てくるかもしれねぇだろ!!テメェの場合は!!(それはあり得る)
ナルトが狙われたらどうするんだ!!(そればっかりかい)
「ばっかじゃねぇの?カカシせんせー男同士は結婚できないってばよ」
「大丈夫大丈夫vナルトは何の心配もしなくて良いから、俺のところに嫁に来なさい」
「イヤ。俺ってばサクラちゃんと結婚したいんだってばよ」
「あたしはサスケ君と結婚するのよ!!」
お前は俺と結婚するんだぜ、マイフェアリー。
カカシの誘いを断るなんて、やっぱりお前には俺しかいないんだな☆
チッ・・・可愛いぜ、マイスイートフェアリー・・・。
とうとう日も暮れてきそうになり、そろそろお開き、ということになった。
ナルトはサクラにさんざん弄ばれて、サスケはそのたび違う世界へトリップしていた。
カカシたちと別れ、ナルトと二人っきりになろうとサスケはナルトの後を追っていた。
「オイ、ナルト」
そう呼び止められて、驚いたのはナルトだった。さっき別れたばかりのサスケがいるではないか。
「何だってばよ?」
「イヤ・・・珍しい花を見つけたから、お前に見せてやろうと思って・・・」
「え~!!ホントか?どこで見たんだよ!!」
「来い、連れて行ってやるから」
サスケはナルトに行くか行かないかの確認もとらないまま歩き出した。
「なんだよー。お前今日ちょっと優しいな」
当然だ。特別優しくしてやるぜ、マイフェアリー
ナルトを花畑に案内したサスケ珍しい花に目を輝かせているナルトを・・・・
いただきます。
ナルト君、この前も似たようなパターンだったんだから気が付きましょう・・・・。
終わり。