「わっ!」
無造作にベッドの上に投げ出され、ナルトは素早く起き上がってサスケを睨み付ける。
「何するんだってばよっ!」
キッと大きな瞳で睨まれて、サスケはクラクラする。
前をはだけたまま浚ってきたせいで丸見えの薄い胸も、腕に絡んでいる金の髪も、七年間寝ていたせいで筋肉も付かず頼りない肩も、滑らかな肌も。
美味しそうな太股とか、細い足首とか、ふっくらした唇とか、怒っているせいで紅潮している頬とかとか………っ!
ウッ、と再び鼻を押さえ、首の後ろをトントンと叩く。
あまりに久しぶりな生ナルトの魅力に、思わず興奮してしまう自分を戒めた。
そうして、自分は怒っているんだということをアピールするために、やや見下し気味にナルトを睨む。
当然、自分の欲望を満たすための一歩として、その小さな体の上にのしかかることも忘れない。
「………あの変態火影の前で、二度と脱ぐなよ」
サスケの言葉に、ナルトは意味が分からないとばかりにキョトンとしている。
「何でだってば」
「良いから、脱ぐな。上着だけでもダメだからな」
あまりにも一方的なサスケの言葉に、むぅ、と頬を膨らませる。
「だから、何でだってばよ!」
腹立ち紛れにベッドをボフッと叩くその様すらもサスケの眼には可愛らしく映ってどうしようもない。
「良いか。お前はもう、子どもじゃないんだ。頭の中は15のウスラトンカチのままなんだろうがな」
少し力を込めれば折ってしまいそうな手首をベッドに縫いつけ、鼻の先がくっつきそうなくらい近くで囁く。
反論しようと開かれたのだろう唇を塞ぎ、七年間で鍛え上げた(笑)舌技を遺憾なく発揮して、ナルトの抵抗を奪う。
慣れていないナルトは、それを受け止めかねて軽くせき込んだ。
「サス………っ」
名を呼ぼうとする唇を再び塞ぎ、今度はゆっくりと追い上げる。
軽く音を立てて吸ってやると、小さな柔らかい舌がおずおずと差し出されてきた。それを自分の口内へと導き、軽く噛む。
ピクッと肩を跳ねさせ、くぅ、と小さく鳴くナルトの柔らかな髪をなで上げた。今だ縛られたままの帯を解き、最後の一枚も脱がす。
協力するように上げられた足を掴んで、淫らな形で押し広げた。
「やだっ、サスケ………っ!」
慌てて隠そうとするのを許さずに、じっくりと成長したナルトの肢体を眺める。舐めるような視線で体を見つめられ、ナルトは知らず足を閉じようとしてしまう。だが、サスケがそれを許すはずもなく、瞳だけでナルトにじっとしていることを強要した。
「サス………ケぇ………」
ナルトの声が甘えるようにとろけた頃、漸くサスケはその視姦とも言える行為を中断する。
まだ満足してはいないが、それはナルトが眠っている間にじっくりと眺めれば良い。
筋肉がついていない上に、成長を何かに妨げられたかのようなナルトの体は、男でも女でもないような気にさせられる。
しかし、視線で舐められ頭を擡げた証は、確かに男のソレだ。
七年ぶりなのは、サスケだけではないのだと。
そう、言われた気がする。
腕にナルトの足を引っかけたまま、上体を倒して柔らかな胸に口づける。
女のような豊かな膨らみがない分、ピンク色をした突起の主張が際立って愛らしい。
まだ柔らかいそれを口に含み、音を立てて吸ってやる。
「ひぁっ」
ビクッと反応した敏感な体を、足を下ろさぬまま抱き締め、さらに舌を這わせた。舌先で押しつぶすようにしてから吸い上げると、記憶のままに反応を示す。
まだ成長した自分の手足の長さが把握できないのか、届かないと思っているのか、シーツを掴んで震えている手が目に入った。
口を離さぬままでその手を自分の肩に回させる。
サスケの忍服をギュッと掴んでくるその仕草が愛しくて、直に感じたいと思った。もう片方も丹念に口で愛してやってから、一度体を起こす。
息が上がり、快感に瞳を潤ませているナルトが怪訝そうに見上げてきた。
視線を絡ませ、ことさらゆっくりと笑みを浮かべる。
自分の顔がそうすると、どういう効果を生むのかを知っていて。
予想通りに、ナルトは瞬く間に頬を染め上げ、視線を外せなくなる。
「脱がせて、くれるか?」
囁くように告げると、ナルトは視線を合わせたまま操り人形のようにコクリと頷いた。
自分の足の間にいる男の服の前ボタンを、上から一つ一つ外していく、指先。
耳の後ろを撫でられるのが感じるのか、時折ピクリと震えながら、ままならぬ指を動かす。
徐々に露になっていく鍛えられた体が、ナルトに七年の歳月を感じさせた。
気付けば、ナルトの方がサスケの上にのしかかっている。
飢えたような瞳で自分を見つめてくるナルトの妖艶さに、サスケは心の中で舌打ちした。
成長した分、ナルトの醸し出す色気はハンパではなく、自分の方が侮っていたのだと思い知らされる。
開いただけの胸元に頬を擦り寄せ、手を脇から入れて直に背中を抱かれた。
夢中でサスケの胸元に頬を擦り寄せ、口づけを落とし、ナルトは七年の間、求め飢え続けていたサスケの存在を存分に確かめる。
腹に当たる硬い感触に、ナルトはますますうっとりと瞳を潤めた。
「お、おい」
サスケが戸惑うほど、ナルトは大胆だった。
綺麗な指でサスケと視線を合わせたまま、チャックを下ろし、立ち上がり始めている塊を取り出す。
軽く上下にスライドさせ、手の中で膨らむ充足感に知らず瞳が潤む。
「………て」
小さく囁かれた言葉を、サスケは聞き取れず黙っていた。
「舐めさせて………」
ナ・メ・サ・セ・テ………一文字一文字を綴る唇の動きがいやらしくサスケの視界を侵す。
サスケが自分の言葉を正しく理解したことを察したナルトは、返事を待たずに顔を埋めた。
すでにそれだけで七年前の最高時と同じほどの大きさを持つそれが、本当に自分の口に入るのかどうかは分からなかった。
だが、それよりも欲求が勝る。
口を開けて、歯を立てないように口内へと飲み込んだ。
「ぅ………っ!」
軽く眉を顰め、サスケが声を上げる。
聴覚からの刺激に、ナルトは自分がますます欲情していくのを感じた。
頭を動かしながら、口内で舌を肉塊に合わせて這わせる。
徐々に太さを増していく存在に欲情している自分を自覚しながらも、止まらない自分も認める。
「ん…ふぁ………っ」
口内に収まり切らなくなったそこから顔を上げ、チラリとサスケを見上げた。
先程まで余裕を見せていたサスケの瞳が、情欲を色濃く滲ませてナルトを見下ろしている。
視線を合わせたまま、手で支えたモノの先端に舌を当てる。
期待を込めたような眼をしたサスケに、記憶していた通りの愛撫を加えていく。視線を合わせたまま、舐めているところを見せるとサスケがたまらなく煽られることを、ナルトは覚えていた。
男はそういうものだ、とサスケが言ったような気がするが、自分はサスケにしかしたことがないから分からない。
けれど今は、サスケを本気にさせて、七年分を埋めることしか頭になかった。
他の男がどうなるか知らないが、サスケが夢中になってくれれば、それで良い。茎と二つの果実との境に舌を這わせ、軽く歯を立てる。
敏感な部分に歯を当てられた痛みにか、サスケが眉を寄せた。
睨んでくる瞳を見つめながら、噛んだソコをねっとりと舐める。
「こっちに、足をよこせ」
サスケの息が軽く上がっていることに気を良くし、ナルトはその淫らな要求の意味を考えることなくサスケの体を跨ぐ。
すると、俗に69と呼ばれる格好を取ることになってしまうのだ。
漸くその格好の淫らさに気付いたナルトが、恥じらってサスケの上から降りようとする。
が、足をがっちりとサスケに掴まれ、叶わない。
「お前は、そのまま好きなようにヤッてろ。俺は」
ニヤリといやらしい笑みを浮かべ、サスケはそっと双丘を割る。
「こっちを可愛がってやるよ」
「ひっ………」
上げそうになった悲鳴を、なんとか飲み込む。
恥ずかしい箇所を舐められ、久しぶりに感じる快感と羞恥に膝が笑う。
「しっかり支えておけ」
意地悪く囁いてくるその感触にすら感じてしまって、ナルトは手の中の熱にそれ以上愛撫を加えることが出来なくなってしまう。
腕の力が抜けて上半身が崩れてしまい、そそり立つサスケに頬摺りするのが精一杯だ。
「どうした?するんじゃなかったのか?」
言いながら、ジェルを掬った指を久しぶりに自身を受け入れる箇所へと潜り込ませる。
「ひう…ぅ………っ!」
クチュリ、といやらしい音がした。
体温で溶けていくジェルが、サスケの指を飲み込んでいる口から内股を伝う。
それがまるで、その部分が濡れているかのような錯覚を起こさせ、サスケは先程までの意趣返しだとばかりに中で指を回した。
「やあぁっ、あっ、はあぁっ!………ンむっ」
長い間開かれることを忘れていた狭い内路を、差し込まれた指二本で広げられて悲鳴混じりの喘ぎ声が洩れる。
自分ばかり翻弄されるのが悔しくて、再び目の前の猛りを口に含んだ。
先程と違って、完全に立ち上がっているソレを全て口内に迎え入れることは不可能だったので、先端だけを口内で転がしながら手を滑らせる。
クチュクチュといういやらしい音が部屋に響き、下肢への愛撫と相まってナルトの頭の中を芯からとろけさせていく。
「も………やだ…ぁ」
いつまでも肛腔をいじられることにじれたナルトは、上体を起こしてサスケにねだった。
手を止めさせ、横たわるサスケの上に馬乗りになり、双丘の狭間で肉塊を擦り、挑発的に腰を捩る。
「サスケ………ぇ」
長い金の髪が白い腕に絡まって薄暗い光の中で煌めく様が美しい。
これ以上ないほど淫らな筈なのに、まるで天使か妖精のようだ。
久しぶりの情交がナルト優勢で進められるのは気に入らないが、久しぶりに眼にした媚態は記憶していた以上のそれで。
「どうして欲しい」
煽るために口にする言葉。
突きつけられた言葉に、ナルトは軽く唇を噛むが、それも熱い吐息にすぐ解けてしまう。
先程まで妖艶な色を潜ませていた瞳が、頼りなげにサスケを見下ろしていた。
「お前の、好きなようにして良いんだぜ?」
そんなことを言いながらも、ナルトの腰を撫でる手がその先の行為を促している。これから自分がしなければならない行為に激しい羞恥を覚えるが、それ以上に今はサスケを感じたい。
サスケの肩に手をかけ、協力してもらいながらゆっくりと腰を沈めていく。
「ふぁっ、や………あっ!」
長く閉じられたままだった肉路は、想像以上の存在感で体内に侵入してくる肉塊を受け止めかねて、ナルトに強い違和感を感じさせた。
それでもなんとか傷つかずに済んでいるのは、意地悪くながらも丹念に解してもらったおかげだろうか。
「あぁっ………あっ………ああぁ………っ!」
肉襞を逆に擦り上げられていく違和感と、どうしようもない快楽の源を押し上げられる愉悦とで、全てを飲み込んだ頃には、ナルトの顔は涙でグショグショになっていた。
「ひっ………く、サ………スケぇ………っく」
泣きながら縋ってくるナルトを可愛らしいと思いながら、きつくなるのを承知で上体を起こす。
「ひうぅっ!」
息を飲んで強張った背を撫でてやりながら、顔中にキスをした。
「よく出来たな」
髪を撫でて褒めてやると、涙で滲んだ碧い瞳が軽く笑みを彩る。
こんな行為の最中だというのに、その笑みは昔と変わらないままのナルトのもので、改めて自分の腕に戻ってきたのだと実感した。
だが・・・翌朝にはナルトの怒声が轟くのであった・・・・。
終